雑貨販売「Cat & Dragon(きゃっとんどらごん)」代表の、きゃっ、とんさんにお話を伺いました。
「Cat & Dragon(きゃっとんどらごん)」
とっても可愛い猫グッズ☆
Contents
見ていると元気になれる動物たちのグッズを集めようと思った
――お仕事を始めたきっかけについて。
きゃっ、とんさん(以下、C):両親がイギリスから輸入したお土産のお店をやっていて、最初はそのお手伝いという感じだったのですが、有楽町でお店をやり始めた頃から私の代に替わったんです。隣が画廊で、ある時猫を描いている画家さんが訪ねてきてくださり、それから猫作家さんたちとのお付き合いが始まり、オリジナルの猫グッズを販売するようになりました。
――「きゃっとんどらごん」というので、猫専門なのかと思いました。
C:猫の専門店を作るつもりはなくて、猫(キャット)から龍(ドラゴン)まで、その人にとって縁起のいい動物とか、好きな動物、見ていると元気になれる動物たちのグッズを集めようと思ったんです。何故か猫が9割くらいになってしまったんですが。
地方のお店に販売用の商品をセットにして送る「お店屋さん通販」
――お店販売と通販をやっていらっしゃるんですか?
C:港区内の店舗は1月で閉めました。ネットショップの方もまだ軌道にのっていない状態です。
震災があって、関西の方たちはそうでもないかもしれないですが、関東の方たちは物を買おうという意欲が落ちちゃってるかもしれないですね。
今は、「お店屋さん通販」をやっているんです。
――「お店屋さん通販」とはどういうものですか?
C:地方のお店に販売用の商品をセットにして送るんです。
最初は雑誌の写真を見て注文してくださったのがきっかけだったと思うんですが、北海道の松前郡というところで商店をやっていらっしゃるMさんという方と電話でやり取りをするうち親しくなりました。そこは、薬局も兼ねているし新聞配達もなさっているという地域のコンビニみたいなお店だそうですが、彼女もとても猫好きで、何度か猫グッズをお送りしていたんです。パソコンもFAXもお持ちではないというので店頭の商品の写真を撮って紹介し、気に入ったものがあればお送りするという形だったのですが、今回段ボール2箱くらい、こんな商品があります、というのを送ってみたんです。近所のお客様に売って頂いてもいいし、実験的に「お店屋さんセット」という感じで。
「こんなグッズ初めて見た」と言って喜んでくださって、たまに「○○が売れましたよ」と報告がきます。
――いいアイディアですね。
C:中々、買い物に出られないような事情があったり、欲しい物が近くのお店にないというような地域の方がいらっしゃれば、こんなふうにお店宛に商品を送ってそこで販売してもらうという「お店屋さん通販」ができればいいなと考えています。双方に信頼関係が必要になりますが。
――メリット・デメリットはありますか?
C:メリットは猫好きにはたまらないよね、って言って頂けること。
逆にデメリットは、猫が嫌いな人には……。(笑)
――猫好きの方は多いですよね。猫以外もありますか? 犬好きも多いですよね。
C:犬グッズ、龍グッズもあるんですが、目立たないんです、猫が多すぎて。
商品を持って行って並べて座っていたら、いろいろな方に人生相談をされました。(笑)
――印象的な体験談はありますか?
C:有楽町の晴海通りでお店をやっていた時のことですが、お店が2階にあったので、1階に商品を持って行って並べて座っていたら、いろいろな方に人生相談をされたことです。(笑)
――(笑)なんででしょうね?
C:みんな悩みを持っていて誰かに聞いて欲しいのではないでしょうか。道に座っている人だったら後腐れなくていいかなって思うのかも。
――商品について聞くのではなく、いきなりですか?
C:そうです。ただ話を聞いて欲しいらしくて。
――都会はみんな寂しいんですね。話の後、商品を買ってくださった方もいましたか?
C:はい、何人かは買ってくださいました。
使って頂く方が楽しい気持ちになるような物を創る
――心がけていることはありますか?
C:使って頂く方が楽しい気持ちになるような物を創ることです。うちの場合は可愛い物ということを心がけています。
――出来上がった商品を仕入れているんですか? それとも製造過程にも携わっていらっしゃるんですか?
C:両方です。衣料品などのプリントは四国の業者さんにやって頂いています。家庭でパソコンなどを使って安くできる方法はいくらでもあるんですが、やっぱり耐久性などが全然違うんです。一般に市販されているシートは使っているうちにプリント部分がすぐにひび割れてきてしまったりするんです。
――では、そういう業者さんとの見積もりのやり取りなどもあるんですね。
C:はい。でも、このデザイン、この色、このサイズが一番売れるだろうと予測して発注するんですが、必ずしも読み通りにはならないんです。
季節、気候、売る場所、イベントの内容によって、喜ばれる物は違う
――仕事を始めてあらためて気づいたことはありますか?
C:季節、気候、売る場所、イベントの内容によって、喜ばれる物って違うんだなっていうことですね。
この間のほおずき市の時は(7月9日、10日の東京文京区:光源寺さんでのほおずき市に出店)猫グッズ以上に和調の物が売れたんです。浴衣地で母が縫ったシャツとか。特に紺と白の物が売れました。
帯地で作ったバッグもあったんですが、あの暑さの中では中々……。それに砂埃がすごくて、ビニールに入れてはいたんですが、こういう物を屋外で売るのは難しいですね。また秋のお祭りだったら、売れる物も違ってくるんでしょうね。
「こういうイベントがあるので参加しませんか?」と言われた時に、手持ちの商品の中から喜ばれるであろうと予想して持っていく物が外れないようになるのには、まだ経験が必要なのでしょう。
こういう物が欲しいんだけど手に入らないという地域の方たちの元に、喜んで頂ける物を届けたい
――今後の抱負について。
C:こういう物が欲しいんだけど手に入らないという地域の方たちの元に、喜んで頂ける物を届けたいです。これからは、物を粗末にしないで大事にする時代が戻ってくると思うので。
――いい物を買って、長く使いたいですよね。
C:それから写真だと良かったけど、実物が思っていたのと違うというようなことが通販だと起こってしまうので、本当は直接見て買って頂ける方がお客様側からしても楽しいと思うんです。
――私も通販よりも、実際に見て買いたい派なんですが、今はほとんどが通販だけで実店舗がないところが多いですよね。
C:経費的な問題があるのでしょうね。でも例えばショルダーバッグなら、実際に自分の肩にかけてみないとわからないということもありますしね。店もまた持ちたいとは思っているんですが。
自分の興味がない物を扱う商売はしない方がいい
――同じようなお仕事を目指している方へのアドバイスはありますか?
C:お店をやっていた時に、同じようなお店を持ちたいとか、オリジナルの商品を創りたいという方たちが結構いらして、教えられることがあればアドバイスしていました。例えば、このくらいの規模のお店なら発注数はこれくらいがいいのではないか、とか。
でも、ひとつ言えることは、自分の興味がない物を扱う商売はしない方がいいと思いますよ。
(2011年7月22日)
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インタビュー中に出てきた「お店屋さん通販」に興味がある方もぜひ、お問い合わせください。
「Cat & Dragon(きゃっとんどらごん)」
現在、ホームページがなくなってしまったようです。