パン屋:Yちゃん

今回は友達のパン屋さん、Yちゃんにインタビューしました。

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何も入れなくてもおいしいパンが作れるんだって気づいた

――仕事を始めたきっかけについて。

Yちゃん(以下、Y):子供が小さかったというのがあって、自営なら、生活しながら自分のペースでできるんじゃないかって。
人に雇われていると、何かあったとき、急に「休みます」じゃ、まともには勤められないと思ったから。

――パン作りは子供がアレルギー体質だから始めたって聞いたと思うんだけど。

Y:作るのは好きだったんだけど、多く市場に出回っている晩には結構添加物が入っていて、自分で作ってみると、何も入れなくてもおいしいパンが作れるんだって気づいたの。
私みたいに、市場にあまりないアレルギー体質の人でも食べられるパンを求めている人がいるんじゃないかなっていうのがあって、小さなお店を開こうと思った。

――アレルギー体質だからということで買いに来るお客さんが多い?

Y:多い。全体の……、3割くらいかな。
自分じゃなくて、子供がアレルギー体質だからとか。
いろいろなアレルギーの人がいるから、これは何と何を使って作ってますっていうことを言えるようにしてる。


オリジナルグッズも販売。

作ることよりも人との接触が多くて、それが仕事の半分以上

――お店を始めたメリットについて。

Y:人間関係の勉強になる
スタッフともそうだし、業者との付き合いもあるし、いろいろなお客さんがいて、製造してるんだけど、作ることよりも人との接触が多くて、それが仕事の半分以上いってる。

――前から人と接することは好きだった?

Y:いや、これはもう訓練の賜物。そうせざるを得なかったというか。
まったく自分にはなかったのに、仕事をしながら鍛えられてきた。
だから、いい意味でも悪い意味でも自分自身が変わったかも。


パン生地。

何かをやるために何かが犠牲になってることはあるんだろうなあって

――デメリットについて。

Y:ずるくなったこと。何かを守るために、そうしなければ、やっていけないというのがあって。
それは自分だったり他の誰かだったり子供だったりするんだけど。

――“ずるい”というのは、人を騙すとかいう意味?

Y:騙すというのじゃないけど、例えば値段の交渉をするのでも駆け引きみたいなところがあって。ただ正直に、のほほんとしているわけにはいかない。
でもね、なんでそうなったかというと、舐められやすいというのがあって。
私が男性で、見るからに強そうだったら、これはなかったかもしれない。
相手によっては自分をガードしなければいけないから。

――それはずるさっていうのかな。賢さじゃない? だってやっぱり商売だから、友達同士の付き合いとは違うでしょう。相手を騙して自分が大儲けするのはいけないけど、商売上の駆け引きはずるさとは違うんじゃない?

Y:ああ、うん、そうだね。ずうずうしい相手にはそれなりの対応をしたりね。
あとデメリットといえば、自分の時間がなくなって、家族にとって、それは大きいことだと思う。
誰でも抱えてることだと思うけど、何かをやるために何かが犠牲になってることはあるんだろうなあって。

――でも(自宅とお店が)近いからいいよね。

Y:そう、何かあったら行き来できるし。
あとは身体を壊すかも。朝、すごく早いからだんだんおかしくなってくる。癇癪おこしちゃったりとか。

――精神的なバランスが崩れてくる?

Y:うん。



身体にやさしいパンがいっぱい。

おいしくて安全なものを毎日安定して作るっていうことが一番

――心がけていることについて。

Y:口に入るものを作っているので、おいしくて安全なものを毎日安定して作るっていうことが一番。例えばパンを焼く温度調節を間違えたら、大失敗につながるから。
あとは小さい店で入りづらいかもしれないけれど、来てくれたお客さんには、心をこめて接客していくということ。

――そういえば、お店に入ってきた途端に話しかけたほうがいいのか、そっとしておいた方がいいのかわかるって言ってたよね。

Y:そうそう。

――それって、仕事をしてきて身につけた技じゃない?

Y:うん。何年も来てくれていても会話したことがないお客さんもいるし、悩み事とか話したいんだなっていうお客さんもいるし。
仕事を通していろいろな人と知り合えたことはよかったなって思う。

――やっていてよかったことについて。

Y:顔が広くなったことかな。
お客さんもそうだけど、お客さんだけじゃなくて仕事を通していろいろな人と知り合えたことはよかったなって思う。

スタッフといい人間関係が築けていないと発展はない

――今後の抱負、アピールについて。

Y:営業ができますようにっていうこと。
クリスマスの時期、12月は一年間で一番忙しいので、みんなで乗り切れますように。

――同じようにパン屋を目指す人へのアドバイスは?

Y:パン屋って始めるときに機材の費用がすごくかかるのね。一千万、二千万とか。

――そんなに?

Y:私は中古で揃えたから安くできたけど、それでも常にメンテナンスが必要。毎日使うし、これがなければ仕事にならないから。
だからあまり初めからお金をかけないということ。中古でもいいし。ただ大切なのはメンテナンスの業者がきちんとしていること。壊れたらすぐに見てもらえる業者じゃないと大変なことになる。
あとは人との付き合い、人を見る目を持つこと。
内部の人間関係も、スタッフといい人間関係が築けていないと発展はない。

(2010年11月10日)

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仕事を始めて”ずるくなった”と話していたけど、私が知っているYちゃんは、むしろとっても親切で純粋な人です。

忙しいところ、インタビューにこたえてくれてありがとう、Yちゃん^^
たくさんの人においしいパンを食べてもらえますように。

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ライター・校閲、メンタル心理カウンセラー、ムビラ弾き♪
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