いつ終わるのやら^^;
part4の続きです。
専門学校に通いながら、いろいろなバイトをしました。
最終的に落ち着いたのは画材屋でした。
画材の勉強も出来、自分が使う画材も割引料金で買えたので。人間関係もよかったですし。
偶然、バイト先に高校時代の漫画部の後輩が買い物にきたことがありました。
久しぶりの再会に驚いて、
「どう? その後、漫画部は?」
と聞くと、
「先輩、もうダメです。潰れそうです」
……そんなもんです。自分が卒業後もずっと活動してくれることを思い描いて創った漫画部でしたが。
学生生活はどうだったかというと、芸術系の人は自分の世界を持っているタイプが多く、それまでの高校での漫画部、続いて映画館でのバイト時代で仲間囲まれて賑やかに過ごしていた私は、淋しくなってしまう事が多々ありました。
みんないい人たちばかりで、自由人で、私も自由を謳歌しましたが、自由と孤独は紙一重なので、消えたくなるような、どうしようもない孤独に襲われることもありました。好きなことがやれていて、しあわせなはずなのに。
「やめちゃおうかな」
高校時代の友達に電話で軽い気持ちでそう言ったことがあります。
「ダメだよ」
短大をやめたことを知っている友達が一言、電話の向こうで言った言葉が心に深く沁みました。
――うん、またここで繰り返しちゃダメだ。今度はやり遂げなくちゃ。
在学中に描いたアクリル画
学校に通いながら投稿を重ねましたが、卒業の時期が近づいても私は漫画家デビューできていませんでした。
クラスメイトはデザイン事務所などに就職を決めていましたが、私は就職してフルタイムで働いたら漫画が描けなくなってしまうと思い、ためらっていました。
そんな私に、講師だった漫画家の先生が、アシスタントを探している漫画家の先生がいる、と紹介してくれました。
私はそれを受けていいものか迷いました。
後から考えれば、私の深層心理の表れだったと思います。
漫画家を目指すのなら、プロの先生のアシスタントになり、テクニックを学べるというのは素晴らしいチャンスです。
私は何故、そのチャンスに喜んで飛びつかなかったのでしょうか。
★漫画家になりたい→そのための技術を学べる学校に入学。
★そしてその学生生活は→漫画家目指してペンを走らせ続ける日々。
★漫画家になれずに卒業の時期が近づく→会社員となりフルタイムで働くと漫画が描けなくなるのでためらう。
★といっても卒業して働きもしないのも?→そこで講師の先生からアシスタントの仕事の紹介。
ここまでは辻褄が合う展開ですが、この後意味不明です。
何故か私は、
☆→プロの漫画家に近づくアシスタントの仕事を引き受けるのをためらう。
……理解不能ですね。
迷いに迷っていた私でしたが、レンタルして夜中に観ていた映画のセリフ、
『与えられたチャンスは必ずつかめ、チャンスはいつでもあるとは限らないから』
というセリフにハッとしました。迷っている私へのアドバイスに感じられました。
「アシスタントの話を受けよう」
決意しました。
しかし漫画家の先生と初めて会った時から、違和感がありました。
先生の方は私を一人前のアシスタントに育てようと思っていて、
私の方は、自分がプロになるまでのほんの一時的なこと、と考えていたからです。
漫画家になることを熱望している私だったなら、先生が期待してくれているのはとても嬉しいことのはずです。矛盾しています。
元々、あまり乗り気ではなかった私は、やると決めてからもどこか及び腰で、深入りしないようにしていたように思います。
私に良かれと思って好意的に動いてくれている周りの方々に、とても失礼なことをしている、という自覚はありました。
そしてその後、私はもっと失礼で迷惑なことをすることになるのです。
またまた、つづく。