ドキュメンタリー「ガリカイ・ティリコティ ジャパン・ツアー」part1

先日も告知致しました「音の流星群 ガリカイ・ティリコティ ジャパン・ツアー2013」ですが、
ガリカイさん初来日に加え、
今後もこのようなチャンスが訪れるかわからない、
もしかしたら最初で最後のことになるかもしれない貴重なツアーなので、
今回のことを連載にして発信していこうと思いました。

ツアーは6月~7月ですが、
part1では、招聘に至るまでのエピソードについて、
ガリカイさんを師匠とするムビラプレイヤーのSUMIさんにインタビューさせて頂きました。

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2年前くらいに、招聘の実現に向けて準備をしていかなくてはいけないと思った

――ガリカイさん招聘を思いついたのは、いつ頃ですか?

「ガリカイさんを師匠としてムビラを始めた頃から考えていました。
ガリカイさんは3歳のときに誰も教えていないのにムビラを弾いて、
6歳で音階の狂ったムビラを調律して周囲を驚かせたという伝説を持つスーパープレーヤーです。

ガリカイさんの演奏を見たい、と思っている人は世界中にいます。
日本でも“ガリカイさんを日本に呼んでほしい”という声をいただいていました。
でも、最初は現実的ではなくて、自分も日本でのライヴ活動を始めたばかりだったというのもあり、
この状態で実行したところで、とてもうまくいくとは思えなかったというのがありました」

――では、何故、今年、それを実行しようと思ったのでしょう?

「ガリカイさんも年齢を重ねていくし、いつまでも先延ばしにしていられない、きちんと実現に向けて準備を進めていかなくちゃいけないと思ったんです。
2年前、ちょうど(ガリカイ・スタイルのムビラグループ、マズィタテグルの)メンバーのトンデ(トンデライさん、ガリカイさんの長男)とワカもジンバブエにいて、ガリカイさんを日本に呼びたいという話をしました。
2人とも賛成してくれて、3人でガリカイさんにも話をしたら、日本に行きたいと言ってくれました

――そこから実現に向けて動き始めたんですね。具体的にどのようなことをしましたか?

「まずはガリカイ・スタイルの演奏を知ってもらうために、日本国内でライヴ活動を増やしたり、CDを作って販売したりしました。それまでガリカイ・スタイルの演奏は日本ではあまり知られていなかったので。あと、ライヴ会場の交渉なども少しずつ進めていました」

今回のCD制作で想定外のことが起こった

――問題も起こらず、スムーズに進められてきましたか?

「最初からうまくいかない場合を想定しておくので、問題が起こることはほとんどないです。
ただジンバブエを通すと、あまりにも思い通りにいかないことが多く、今回のCD制作については、想定外のことが起こりました

――今回のツアーで先行発売されるCDですか?

「そうです。ガリカイさんと日本でのツアーの話をした時に、ライヴやムビラ販売だけでは難しいという話になったんです。そしたらガリカイさんから、来日に向けて、新しくCDを制作して、それをツアーで販売したらいいのではないか、という案が出たんです

――それでツアーに間に合うように、CD制作をすることになったんですね。

「今回は、前回使ったのと違うスタジオを使いました。
元々ジンバブエ人は時間に大らかなんですが、そこのエンジニアが本当によく時間に遅れる人で、例えば朝の9時の約束なのに現れたのが午後2時だったり

――困りますね。

「スタジオは家からバスを乗り継いで2時間くらいかかるんです。
日が暮れる前に帰らないと強盗に遭うかもしれないので早く帰りたいんですが、遅れて来るので作業が終わるのも遅くなります。
ある程度、終わって、ガリカイさんと他のメンバーには先に帰ってもらったとき、最終的に作業が終わったのが夜の7時ごろになってしまったことがありました」

――何事もなく帰れたんですか?
「一人で必死にバスを乗り継いで帰りました。そんなことが2回くらいありました。一度、強盗に遭った経験があるので、そのシーンがよぎってしまうんです」(強盗に遭った体験を語っている以前の記事は→コチラ

――帰宅したとき、みんな心配していましたか?

「いえ、別に。ガリカイ家の人たちは僕のことを、もうジンバブエ人だと思っているみたいで」

問題は起こりましたが、エンジニアの技術はピカイチ

――他にも問題は起こりましたか?

「日本に帰るとき、出来上がったCDを持ってこようと思っていました。
予定通りには出来上がらないだろうと思って、余裕を持ってスケジュールを組んでいたんですが、帰国の2日前になっても出来上がらず、ガリカイさんも一緒にスタジオまで頼みに行ってくれたのですが、結局間に合いませんでした

――スタジオが忙しくて、手が回らなかったのでしょうか?

「いえ、忙しいということではなく、遅れた理由は、そこがジンバブエのスタジオだったからだということです

――なるほど(笑) CDは後から送ってもらったんですか?

「はい。でも、送られてきたCDが想定外の出来でした」

――と、いうと?

ジャケットのプリントがひどすぎて、とても販売できる状態ではなかったんです。
タイトルのひとつは背景に溶け込んで読めないし、縦横の縮小率も変で人間が縦に伸びていたり、色の調整もおかしくて表と裏では同一人物が別人のようになっていて。
スタジオに払ったお金も無駄になり、全部、日本で作り直しすることになったので、余分な費用がかかってしまいました」

――ジャケットはフライヤーに載っていますよね?

「あれが元の画像です」

――何故、そんなことになってしまったんでしょうね。プリンタが悪かったのでしょうか?

「理由はやはりジンバブエのスタジオだから、ということです。
出来上がるまで、帰国せずに近くにいたら、違っていたと思います」

――どれだけ、ひどいジャケットなのか、見てみたいです。

店頭販売のものには付けられないのですが、ツアーのライヴ会場販売限定で、ジンバブエのスタジオが送ってきたジャケットを付録としてお付けします

――それは、ある意味、貴重ですね。これが話題のジンバブエ製のジャケットか!って。

「そうですね、見比べて頂くのも、おもしろいかと。
ただ、一言お伝えしておきたいのですが、ムビラの音の録音に関してジンバブエのスタジオのエンジニアの技術はピカ一です。
ジンバブエ以外の国で、世界ナンバーワンのようなどんな有名なエンジニアの人に頼んでも、絶対にあのサウンドクオリティは出す事ができません。
それは彼らがムビラの音を知っている事、ムビラの音に慣れている事、また長年試行錯誤しながらムビラの音を録音してきた経験があるからです。
しかも今回はジンバブエで一番人気のあるミュージシャンがレコーディングに使用しているスタジオで録音しています。
その録音の音は半端ではありません。
ムビラの音は高音、中音、低音がありますが、これをそれぞれ綺麗に聞き分けられる事、これらの音をミックスした時の臨場感がある事がとても大切です。
ぜひ、CDを聴いて最高級の贅沢な音を楽しんでいただければ、と思います


最新アルバム“GWENYAMBIRA(グウェニャムビラ)”
会場販売のCDにはジンバブエ製の、有り得ないプリントのジャケット付!

忙しくて、トイレに行く時間ももったい

――CDもどうにか間に合いそうで、あとはガリカイさん来日を待つばかりですね。その他、大変だったことはありますか?

「やることが多すぎて、トイレに行く時間ももったいないときがあります」

――健康は大切なので、トイレにはきちんと行ってくださいね。ガリカイさんが来日して、これからが本番ですから。

「ありがとうございます。一人でも多くの方に、会場に直接足を運んでガリカイさんの生の演奏を体感して頂けるように頑張ります」

2013年ツアーは終了しました

さてさて、
ツアーの成り行きは今後も発信していきます!
part2に、つづく。

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ライター・校閲、メンタル心理カウンセラー、ムビラ弾き♪
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